ネイサンチェン、コーチと離れても世界最高得点335.30!世界選手権で更新は?

こんにちは!グランプリファイナル2019で男子シングルの世界最高得点をたたき出して、連覇。当ブログではアメリカのネイサン・チェン選手について、演技や技術をどこよりもわかりやすくお伝えします。



ネイサンのコーチは本田真凜も師事するラファエロ・アルトゥ二アン

もともと、西海岸のソルトレイク・シティ出身のネイサン。12歳のときから、ラファエロ・アルトゥ二アンコーチに師事しています。

現在、チェンはイエール大学の本部のある東海岸のコネチカット州ニューヘイブン市に居を構えています。だから、カリフォルニアがホームリンクであるラファエロ・アルトゥ二アンコーチとの練習時間はそれほど多くないらしいです。

それで、大学の近くのリンクで自主練習をして、大学が休みの間はカリフォルニアに戻って、コーチのもとで練習をするというスタイルをとっています。

多くのスケーターは、毎日リンクでコーチと顔を合わせて練習しており、ネイサンのように別々なところに拠点を構える例はめずらしいです。

コーチとこれだけ離れていても、世界最高得点を更新するなど高い成果を出し続けるひけつはなんでしょう?大学生活と練習について調べた記事はこちら。




速報、ネイサンチェンが世界最高得点(ショートプログラム)を更新!

1月25日に行われた全米選手権で、ネイサンチェンはショートプログラムで114.13点を出しました。これはISU(国際スケート連盟)非公認ながら世界最高得点となります!
冒頭で4回転フリップを余裕をもって着氷し、高い加点を引き出しました。3回転アクセル、4回転+3回転の連続トーループもミスなく決め、完璧にまとめました。
ISU非公認得点について、解説した記事はこちらです。




世界選手権は?グランプリファイナル2019でネイサン・チェンが世界最高得点を達成

12月7日、イタリア・トリノでフィギュアスケートグランプリ(GP)ファイナルは、男子シングル・フリースケーティング(FS)などが行われました。

ショートプログラム(SP)2位からの逆転優勝を目指したオリンピック2連覇の羽生弓弦を大差でかわし、米国のネイサン・チェンが、世界最高得点を更新して3連覇を達成しました。

映画『ロケットマン』から、エルトン・ジョンの曲「グッバイ・イエロー・ブリック・ロード」での演技を披露したフリースケーティングも1位、合計335.30点を記録し、偉大なライバルに史上最多の5度目のファイナル制覇を許さなかったんです。

5番滑走の羽生の演技後には、この日が25歳の誕生日だったこともあり、リンクにたくさんの「くまのプーさん」のぬいぐるみが投げ入れられました。

チェンは最終滑走の6番目。ぬいぐるみの片付けのため、待機をすることとなったチェンですが、演技に影響することはなかったのです。
羽生が、FSではこれまでにない4回転5本を組み入れ、果敢にチェンに迫ろうと挑んできました。4回転ジャンプを5本着氷しましたが、3回転フリップが回転不足、トリプルアクセルがシングルになるミスがあり、得点が伸びずにFSが194.00となって、合計291.43と300点さえ超えない結果となったんです。

SPの12.95点差と300点を下回る羽生の得点により、プレッシャーを感じることなくチェンはFSを迎えられたからです。

前半の3本の4回転ジャンプを成功させると、基礎点が、1.1倍になる後半にも2本、合計5本の4回転ジャンプすべてを成功させたチェンは、最後の3回転ルッツ+3回転トーループのコンビネーションジャンプも、余裕をもって降りて、ラストのヒップホップ的なダンサブルな振り付けをクールにきめ、演技を終えました。

テレビの画面に映る彼の表情には、ノープレッシャーの中で、軽々と4回転ジャンプを決め、優勝を確信したラストのダンスステップを心から楽しんでいる余裕さえも見られました。

20歳のチェンは、2019年さいたまスーパーアリーナで開催された世界選手権で出したFSの世界最高得点をさらに8.9点上回る224.92.点を出し、合計でも335.30点と最高得点記録を更新してGPファイナル3連覇を達成しました。SP、FSともに1位の堂々たる演技での独り勝ちの完璧な3連覇でもあったんです。




ネイサン・チェンの4回転ジャンプ、強みは細い回転軸

SPでは4回転ルッツを含む2本の4回転ジャンプを、FSでは、4種類5本の4回転ジャンプを組み込んでいます。

技術点での得点のさらなる積み上げには、やはり苦手とする3回転アクセルの完成度を高めることにあるようですね。これまでは、アクセルジャンプでの失敗が響き、得点ロスすることが多かったんです。

でも、今年度のGPシリーズのフランス大会で失敗したものの、その後はクリーンに決めています。

出来栄え点(GOE)もアメリカ大会では、2.40と3.09、GPファイナル2.51と2.86の加点を獲得し、進化し続けています。

この結果からすると、1月20日からの全米選手権2020と2月に行われる四大陸選手権が大変楽しみになってきますね。また、世界最高得点を更新する瞬間を私たちは目にすることでしょう。



ネイサン・チェン、平昌オリンピックの教訓とバレエの基礎を生かす高得点!

チェンは、これまで4回転ジャンプを含めた技術力が得点源となって、注目されてきました。

でも、今年度のGPシリーズでは、演技構成点においても、SPではスケートアメリカ46.50、フランス杯46.51、FSでは、94.00、92.58からGPファイナルではSPが47.25、FSが95.78と進化を遂げていますよ。

しかしながら、今シーズンも快進撃を続けているチェンにも今では信じられないような姿が過去にはありました。みなさんは覚えていますか。「われらが日本人の羽生がオリンピック2連覇だ、宇野が銀メダルだ」と、日本中が歓喜に沸いていた平昌オリンピックでのSPでのことです。

実際には、大学に慣れるまでは大変であったみたいですが、スケート以外の自分の考え方や存在意義つまり自分にはスケートだけではないという発見が彼をプレッシャーから解放したのかもしれないんですね。

チェンが頭角を現したのは2015-2016シーズンのジュニア時代のことでした。全米選手権のFSで4本の4回転ジャンプを降りて、3位となるセンセーショナルな演技をみせました。平昌オリンピック前のGPシリーズでは、4回転ループも加えた5種類の4回転ジャンプで、名古屋でのGPファイナル2017で初優勝を飾ったんです。

でも、平昌オリンピックの団体戦のSPではすべてのジャンプで、ミスが出て、10人中4位でした。続いて、個人戦においてもSPで、またもやすべてのジャンプに失敗し、17位となって唖然ですよ。しかし、FSで、6本の4回転ジャンプにトライして5本成功させました。FSだけでみると、単独1位の215.08点のスコアをたたき出しています。そして、堂々と総合5位入賞となりました。

実際、テレビ観戦していましたが、「こんなことがあるの?」と、目を疑ってしまいました。オリンピックの魔物に押しつぶされたんでしょうか。

本人もインタビューに対して「永久に忘れることができない。あんな演技は二度としたくない」と答えているくらいですから。

「だけど、たくさんのことを学んだ」「あの経験のおかげで、ミラノの世界選手権では、何事にも左右されずに、自分に集中し、コントロールすることができた」と振り返っているんです。

試合の前には何をしたらダメか、どんな考え方をすべきか、といった財産を手にしました。その後の活躍の糧となって、現在は、オリンピック2連覇の羽生にも負けずとも劣らないメンタルの強さを発揮していますよね。なんて素敵でしょう。

ジュニア時代には今よりもっともっとバレエの要素を取り入れた振り付けだったようです。

2016年NHK杯でバレエ「海賊」の曲で演技

シニアデビューの年にはバレエ音楽のプログラムでした。

「子供のころに、バレエ学校でクラシックバレエの基礎を身体に染み込ませているので、クラシックバレエを踊る時のポジションが快適で、踊りやすい」と本人も話しているほどなんです。

長く習ってきたクラシックバレエを基礎にして、このところのクールな楽曲でのモダンダンスや今季のジャズやヒップホップ、さらにはタンゴ。まだまだ新しい分野への挑戦を続けていくはずです。これからも、毎年毎年、私たちをあっと驚かせてくれると信じていいですよ。

「今は4回転ジャンプを多くプログラムに入れているため、どうしてもジャンプが主体になり、演技のつなぎの部分が単調になっている」とチェンは話していました。

が、映画『ロケットマン』のグッバイ・イエロー・ブリック・ロードでのFSの後半に見せる個性的で、アップテンポなコレオシークエンスは、会場の観衆と一緒に大いに盛り上がりました。この部分は、プログラムの見場でもありますよね。

従来のバレエを基礎にした体遣いや足さばき、腕の使い方そしてポジション二ングの美しさ。ためをつくってのメリハリの上手さ。リズムに合わせての切れきれのいいダンスと巧みで深いエッジワーク。もう観客をくぎ付けにしたままで、最高潮に達し、フィニッシュへと向かいます。

今季のスケートアメリカの演技ではジャジが満点のGEOを出すほどの成長を見せてくれました。GPファイナルでは演技構成点がSPで47.25、FSが95.78です。

美しいと賞賛されている羽生の47.33と93.64と比べても何ら遜色がありません。羽生に合計43.87点もの大差をつけるなんて。「キャー!素晴らしい」としか言いようがないです。

チェン自身の世界最高得点を更新する得点源となったのは確かなことです。

4回転ジャンプが今回のGPファイナルのときのように、余裕をもって着氷できる自力がついています。そして、ジャンプの前後でのつなぎの部分にも加点のための工夫がどんどん可能となりました。そうなると、ジャンプの出来栄え点も、さらにアップされることでしょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!



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